
「日本で一番恋しいものは何ですか?」このよくある質問に対する私の回答は「家族」であるべきですが(母と妹およびその家族は皆日本に住んでいます)、最近の私は大抵「日本の食べ物」と答えています。お母さん、ごめんなさい。でもお母さんの手料理もこの中に入っているので、勘弁してね。
和食は健康に良いと信じる人も多く、アメリカには日本料理のレストランが数多く存在しています。しかし、特に日本人やアジア人の人口が少ないところで、気に入った日本料理のレストランを見つけるのは、とても難しいことです。
かなり昔に東京からサンフランシスコに引っ越した際、日本人同僚がランチにジャパンタウンに行くことが理解できませんでした。私は、パストラミサンドイッチを注文したらバターをもらえないユダヤ料理のデリカテッセンや、グラント通りではなくストックトン通りにある点心レストランや、右手の指で食べるネパール料理や、生パスタが食べられるイタリア料理には興味津々でしたが、日本料理には見向きもしませんでした。
それに、「本物」に比べて美味しい和食はありませんでした。「カリフォルニアロール」は、名前のとおりカリフォルニアで発明された食べ物で、「照り焼き」は「異常に甘いソース」の代名詞です。しかも、「本物」でない割には値段が高い。
でも最近、日本食を恋しく思っているのは事実です。決して高級料理ではなく、シンプルな蕎麦やラーメンが恋しい。というわけで、おにぎりを売っているマンハッタンのフードトラックをテレビで見た時は、とってもびっくりしました。私が日本に行って、コンビニで買うもののリストの最初にあるのがおにぎりだからです。
次回マンハッタンに行ったら、このフードトラックを探さなくては。それから、ユニクロの近くにある居酒屋。ここは一度行って日本の居酒屋みたいだと感じました。でもひょっとすると、長年アメリカで生活していて、和食に対する私の味覚が鈍くなってしまったのかも知れません。唯一確認する方法は、もっと頻繁に日本に行くこと。そして母を訪ねることでしょう。
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