
Last Updated: 30 6月 2025 12. 二重人格調和 【コラム:見る前に跳べ】
「何かお手伝いできることはございますか?」羽田空港のモノレール乗り場で列の一番後ろに並んだ直後に、明らかに非日本人の係員が近づいてきて、流暢な日本語で私に話しかけました。「あら、ごめんなさい、スイカに残高があるか確認したいのですが、この列は違うのかしら?」私はきまり悪そうに答えました。日本語で話す際、私はあまり自己主張せず、謝罪する傾向があります。
「こちらへどうぞ」と言いながら、彼女は長い列を通り越して切符の販売機まで私を案内してくれました。やはり私は間違った列に並んでいたようです。この親切な行動に私はとても感謝しました。私がプリペイドカードをあれこれいじり回している間、彼女は横に待機していました。ありがとう、という代わりに、私は迷惑をかけたことを謝りました。よし、大丈夫、私はまだ日本人だ。
これは、私がアメリカに引っ越してきてまもなく、一番最初の勤務評価を受けた時のことを思い出すきっかけになりました。私の上司は若めの日本人男性でした。二人とも日本語が母国語だったので、私たちは日本語で話し始めました。しかし、自分の功績について語り、昇給を要求するには、英語に切り替えて話す必要があることに、私はすぐに気がつきました。自慢話は英語でしかできないのです。
自己主張し、自分の立場を守るのは大事なことです。しかし、控えめで周囲との協調を保とうとする日本文化を、私はとても大切に感じています。日本では、仕事を巧みに遂行しつつ、それを自賛しない人たちに多く出会います。そのような人たちは、自分の仕事に誇りを持っています。働く場所が駅であろうと、ファストフード店であろうと、銀行であろうと、または多国籍商社であろうと、それは変わりません。
最近、日本を訪問する外国人観光客が記録的な数に達しています。これらの人々が事前に宿題をすることで、日本が提供するものの真価を認めてほしいと思います。逆に、日本人も異文化の人たちと楽しく交流できたらと思います。それぞれがステレオタイプという色眼鏡を外して、心と心の交流をもつことができれば、と願ってやみません。そして、私たち一人ひとりが意を決すれば、できないことはありません。
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