
その通り。私の周りはハローキティだらけです。ハローキティのマグカップでお茶を飲み、チェロのケースにはハローキティのシールが貼ってあり(チェローキティと呼んでいる)、車にはハローキティのステッカーが二つ、ナンバープレートの枠もハローキティ。ハローキティのトートバッグ、ハローキティのキーホルダー、ハローキティの魔法瓶、ハローキティのスクリーンセーバーにハローキティのポップソケット。その他にもまだまだあります。
ハローキティは赤いリボンを付けた口の無い白いネコです。まさに日本のハイコンテクスト文化を代表しています。日本人のコミュニケーションは、非言語の合図と暗黙の理解に大きく依存しています。口なんて必要ありません。
以心伝心はもともと、仏教の原理を言葉ではなく行動と意識の集中で教えることに由来します。阿吽の呼吸は、言葉なしに理解し合うことを意味します。ツーカーは、言葉無くしてピンとくること、一を聞いて十を知るは、物事の初めを聞いただけで全体を理解することを指しています。
私たちはペラペラおしゃべりするより、沈黙に価値を置きます。沈黙は金なり、です。言わぬが花、口は災いの元、とも言います。
行間を読むことや、空気を読むことが当たり前とされており、空気が読めない人は敬遠されます。
ハローキティの生みの親、サンリオによると、ハローキティに口がない理由は、「見た人の気持ちに合わせて表情が決まるように、とデザインされたため」とのこと。それが「よいこと」と認識されること自体が、まさに日本文化の象徴でしょう。
おしゃべりはそのくらいにしましょう。沈黙は金なり、です。私たち日本人は能面やハローキティの顔のようにミステリーに溢れています。でもこっそり秘密を教えてあげます。私たちも本当は、チェシャ猫のように、大きな口を開けて微笑みたいと思っているのです。だから、騙されずに「ハロー」と声をかけて下さい!
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