先日、同僚が「まず自分を売り込み、次に自分の会社を売り込み、最後に商品を売り込む」と言っていました。アメリカでの話であれば正解かも知れません。しかし日本では、まず会社、次に商品、どうしても必要であれば最後に自分を売り込む、という優先順位になるでしょう。

ものを書く際にも似たようなことが起こります。日本の子供たちは「起承転結」の順で作文することを教わります。私たちの文章はくねくねと蛇行し、最後になってやっと言いたかった結論に達します。これは英語での作文方法 – 「結論、その理由、その具体例、結論」とは対照的です。

それはまた、住所の書き方の違いにも似ています。アメリカでは最初に宛先の個人名、それから番地、通り、市、州、郵便番号になります。つまり、焦点は個人からはじまって外に向かい順に拡大していきます。しかし日本では、最初に郵便番号、それから都道府県、市、町、番地、最後に宛先の個人名になります。つまり、焦点は全般的な情報からはじまって内に向かって順に縮小していきます。

私たち日本人は過度に直接的になること、個人として目立つことを恐れているのでしょうか?社会的な枠組みの後ろに隠れようとしているのでしょうか?実用的であることよりも詩的であることを好むのでしょうか?理由は何であっても、長い間、私たちはこのやり方を維持してきました。そこに一種の安堵を感じるかも知れませんが、2つの文化の狭間で暮らす人々にとっては錯綜を招くものでもあります。

私は流れに身を任せることを学びました。自分をステレオタイプの型にはめ込む必要はありません。他人、そして時には自分自身を驚かせるのは悪いことではありません。2つの文化の狭間で暮らすことの利点は、他人や更には自分自身の文化的期待に沿って暮らす必要がないことです。アメリカで世渡りをしながらこのエッセイを綴ることに、私はある特有な自由を見出しているといえます。

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