coping with culture shock when working for a Japanese company

先日参加した在欧日系企業のコーチ向けのワークショップで、研修参加者のニューロダイバーシティが話題にされました。

ニューロダイバーシティは比較的新しい言葉で、1990年代に初めて使われ、オーストラリアの社会学者、ジュディ・シンガーによって広められました。外の世界をどのように体験し、情報や感情をどのように処理するかが、人によって異なることを指します。対人スキルがぎこちない、こだわりが強い、感覚が過敏、注意力が続かない、極度に不器用、読み書きや算数が困難といった特徴があり、自閉スペクトラム症をはじめ様々な名称で説明されています。

私自身、ニューロダイバーシティに関して理解不足だったことに気付きました。薬を飲む必要があるか、さもなければ行動問題や努力不足の言い訳だと思い込んでいたのです。

でも、いろいろ読んで考え直してみた結果、自分と周囲のニューロダイバーシティを理解するようになりました。ヨーロッパでは人口の15~20%がニューロダイバーシティだと見積もられています。イギリスでは若者の40%近くが自分はニューロダイバーシティだと感じています。

明らかに、これだけの人たちに薬を出すのは正しい解決策ではありません。代わりにイギリスで主流になっているのは、職場や学校がサポートして、実践的な対応を支援することです。

そのサポートの多くは、私が提唱している異文化の対応法とよく似ています。例えば、コミュニケーションを明確にして、皮肉や暗示は使用しないこと。また、ぶっきらぼうな相手や批判的な相手にも腹を立てないことです。ミーティングやプロジェクトを準備する際には、トピックとスケジュールを明確にして、事前に伝えることが重要です。

これらが実践されない環境に置かれると、ニューロダイバーシティのある人は、怒りや不満などの激情を示したり、心を閉ざして拒絶したりすることがあります。カルチャーショックもこれに似ていて、人々の反応や行動が自分の国と異なることで生じ、激高や鬱につながる可能性があります。

ありがたいことに、私たちの脳は非常に適応力があります。著名な多文化研究学者のヘールト・ホフステードが言ったことですが、文化とは頭のソフトウェアであって、ハードウェアではありません。治療薬が有効な重度の症状でないかぎり、互いを認識して理解すること、実践的なコミュニケーションのコツを学習すること、そして職場環境を調整することで、職場の不和を回避する効果が期待できます。

(本記事は日本語で帝国ニュース(2024年11月13日号)に掲載されました。)

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