Last Updated: 15 11月 2025 20. 発酵文化【コラム:見る前に跳べ】
私がまだ小さかった頃、母がコンブチャにハマっていた時期がありました。大きなガラスの瓶にお茶とまるで宇宙から来たような「菌」が入っていました。このお茶を一日一杯飲むことになっていたのですが、妹と私は、どうもこの母の新しい情熱について行けずにいました。
未経験者のために追記すると、コンブチャとはプロバイオティクスの健康効果がある発酵したお茶のことです。しかし、日本でコンブチャというと、磯の味がする昆布茶が出てくるかも知れません。その辺の混乱を防ぐため、このお茶は当時日本で紅茶キノコと呼ばれていました。ありがたいことに、母は次の流行に移行して、妹と私はこの短期間の健康実験から解放されました。
和食には昔から多種多様な発酵食品が存在しています。醤油、味噌、酒、漬物、梅干し、納豆はすべて発酵プロセスを通じて作られています。健康効果に加えて、発酵により賞味期限が延びるという効果もあります。
母はいつも新しいものを追いかけていたわけではありません。流行の合間に、梅干し、粕漬け、糠漬け、塩辛など、昔からの日本の発酵食品を作っていました。また、料理には常に醤油、みりん、味噌、米酢、酒を使っていました。
和食文化は発酵食品に浸透しています。我々は、日本の若者が将来カルチャーショックを受けることがないように、この伝統を次の世代に伝えていかなければなりません。幸いにも、日本の発酵食品は世界の食通の間で人気が高まっています。発酵や酒粕などの日本語が近い将来、旨みや出汁と同様、英語に取り入れられるのでは、と私は考えています。
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