26. 災い転じてレモン大福となす【コラム:見る前に跳べ】

Tomoko Parry Consulting で提供しているサービスのひとつに、商品名をつける際の大失態を防ぐための言語評価があります。過去に、商品名にまつわるとても愉快な大チョンボが幾つか存在しています。例を挙げると、シボレーの車「Nova」(スペイン語で「行かない」の意味)や、コカコーラの「蝌蚪啃蜡」(中国語で「蝋のオタマジャクシを噛む」の意味)など。

今日、多くの企業は新商品を発売する前にデューデリジェンスを実施して、そのような失態を避ける対策を講じています。そこに我々が登場します。提案されたブランド名や製品名とそれに関連するロゴやキャッチフレーズを徹底的にチェックし、大きなマーケティング上の失敗につながる可能性のある、文化的に問題がある解釈や不当流用を探しだします。

これは、意図しなかったおかしな名前はもう存在しない、という意味ではありません。例えば、「Siri」は日本語では「シリ」と発音され、その意味は「尻」と解釈することもできます。ところで、私はスマホで「Siri」と「シリ」の両方に話しかけてみましたが、両方とも通じました。この不測の事態は予期されていたようです。それから「Citibank」は日本語では「シティバンク」と発音されます(シティ= shitty = ひどい、劣悪な)。これは残念ながらどう対処することもできません。しかし幸いなことに、ほとんどの日本人はそれについて深く考えたり、面白いと思ったりしていません。

家で毎朝シャワーする際に、私はシャンプー、コンディショナー、シャワージェルを見て変な気気持ちになります。これらのボトルには大きな字で「ShiKai」と書かれています。もちろん「ShiKai」といっても視界や司会など、漢字によってはいろいろな意味になります。しかし死界という可能性もあります。衛生用品で「死」を連想させるつもりはないとは思いますが、デューデリジェンスを行ったのかどうかと疑問に思わずにはいられません。

我々日本人は特定の数字に対しても非常にこだわりを持っています。四(し)は死につながるといって避けられています。4階や4号室や4個セットのものも同じ理由で避けられています。カップやお皿などは4個セットではなく5個セットで売られているのが普通です。また、九(く)も同音異義語が苦であることから避けられています。

しかし、よく言われるように、悪い宣伝なんてものはないのかもしれません。シボレーもコカ・コーラもビジネスは順調です。Siriや Citibank の発音について、日本では話題にもなりません。私は毎朝ShiKai製品を使い続けています。私たちには、人生がレモンをくれたらレモン大福を作らなければ、という習慣が身についているのかも知れません!

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