さて今回は「言い訳」をトピックとして取り上げて見ました。セミナーの席や色々な場で「うちで働くアメリカ人は言い訳が多くてね」と言った意見を良く耳にします。皆さんの中にも心あたりのある方がいらっしゃるのではないですか? 私自身が30年も前に体験した実例をお話しましょう。当時新しい設備を導入するプロジェクトを進めていました。生産ラインを設置するような大掛かりなものではないので導入部署のアメリカ人Managerが進捗を管理する事でスタートしました。ある日の社内会議で日本人社長が今日は設備設置場所のコンクリート打ちがあるはずだが行われていない、どうしたのだとこのアメリカ人Managerに尋ねたところ、今日は行う事が出来ないとの答え。どうして?との問いに彼は天候が悪いのでと答えました。これに対しこの社長は突然怒り心頭に発した様でそんな「言い訳」をするなと大声で彼を叱責しました。横で聞いていた私の目にもこのアメリカ人Managerの顔色が変わり、続いて困惑顔になったのが良くわかりました。会議の後で彼からこう尋ねられました。「ヒロシ、何で社長はあんなに怒っていたのだろう。言い訳するなと言われたけど、私は何故と聞かれてその理由を言っただけなのに。」
如何でしょうか? 皆様はどう考えられますか? これは典型的な日本とアメリカの文化の違いによるものだと私は思います。いったい言い訳って何でしょう。日米の辞書で調べてみると、両方とも第一の意味として「〈物事が〉うまく行かなかった事の理由」というのが出てきます。
これを見るとアメリカ人Managerの答えも普通の様に思えるのですが、どうして日本人社長はそんなに怒ったのでしょう。
私の思うところ、多くの日本人は「言い訳」という言葉を否定的に使っているのではないでしょうか? 日本人はこの様なケースではまず、謝る、次にこれこれの事情でと説明する、その後、今後こうならない様気をつけます、と結ぶ。すると聞いていたほうは、良し、良し、殊勝な心がけだなという事で納得する。これで言い訳が立派な事情説明となるのです。
アメリカ人Managerの「言い訳」とどこが違うのでしょう? 事情説明の前後の言葉以外はそんなに違いはありません。多分、このケースでは事情説明がお天気のせいです(事実なのですが)という所がこの社長の癇に障ったのでしょう。この男は反省もせず、天候などに責任を押し付けてけしからんと。アメリカ人は謝罪の言葉に大変敏感で明確に自分だけの責任で無い限りめったに謝りません。聞かれたことに素直に答えただけなのにという疑問と不満が残る結果になります。この様なケースでは怒りたいのをぐっとこらえ、今後どうすればこの様なケースを防止できるかを考えて下さいとアドバイスをするようにして下さい。
この様に日米の文化の違いから来る揉め事や、日本人とローカルスタッフとの意思疎通を改善するためのセミナーを当社では定期的に開催しておりますので是非御活用下さい。詳細は以下のサイトからご覧いただけます。では今回はこの辺で。

http://www.japanintercultural.com

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