17. 師走にちょっとマインドフルネス【コラム:幸せになろうよ – a joyful life】

夏の終わりから、自分の心があちこちに散らばっているように感じていました。アメリカでは11月の初めに夏時間が終わり、時計を標準時間に戻すと日暮れが1時間早くなります。陽光に気分が左右されやすい私は気分が沈みがちになり、また、仕事にかまけて自分へのケアが手薄になるので、11月は私の鬼門です。そこで、たまたま知った「初めてのマインドフルネスと瞑想」という週1回、計6回のオンラインのコースに申し込みました。

2回目の授業で、「マインドフルネスは頭脳や心を鍛えることではなく、体や五感を使って心を取り戻す『ボディフルネス』です」とトレーナーが言うのを聞き、はっとしました。奇しくもその直後、指輪を失くしたことに気づいたのですが、いつどこで失くしたのか、まったく見当がつきませんでした。

一日が切れ目なく続く活動の塊となっていたせいです。そこで、活動と活動の合間に、1分間の体感瞑想を入れるようにしました。たとえば、吸う息より吐く息を長くしてゆっくり呼吸する、空や庭の木をゆっくり眺めるなどです。このたった1分の瞑想のお蔭で、活動と活動の間の区切りがはっきりし、新鮮な気持ちで次の活動(同じ活動であっても)に移れるようになりました。

日本は師走。仕事が忙しい中、年末行事も重なり、セルフケアに時間を取れない方も多いでしょう。そんなときにお薦めなのは、RAINと呼ばれるマインドフルネス瞑想です。たとえば、誰かの言葉や行動に傷ついたとしましょう。まず、その気持ちや考え、体への影響を観察して認識します。首や背中のこわばりや、胃が重くなった感じに気づくかもしれません。ここまでが、認識(Recognize)です。次のAでは感情や考え、体の感覚を避けず、それらに意識的に目を向けて受け入れます(Allow)。「こんな風に感じてはいけない」などと考えず、あるがままの状態を受け入れるようにします。

次のIは調査(Investigate)です。自分の考えを言葉にしてみたり(例:私の存在をなおざりにされた)、気持ちに当てはまる言葉を探してみたり(例:怒り、不安)、その原因を探ってみたりします。また考えや感情をため込んで緊張している体の部分に注目します。そして、あなたに今必要なものは何かを考えます。自分を受け入れることや、相手や自分を許すことかもしれません。

そして最後のN(Nurture)は心への栄養補給、つまり自分への暖かいセルフケアです。自分が聞きたい言葉を自分に向けて、心の声で(無声で)声掛けします。「心配しなくて大丈夫」「自分を大切にしよう」など、ご自分が素直に受け入れられる言葉を見つけましょう。そして自分への愛情を自分の手足で伝えます。心臓のあたりに手を当てたり、両手を胸のまえで交差し肩にかけて自分をハグしたりすると、温もりを感じるかもしれません。両手を膝や腿にのせつつ暖かい言葉を自分に送るのが、自然で人目につかないやり方かもしれません。声をかけつつゆっくり呼吸すると、心と体の緊張が緩みます。

忙しいときは、Iのところで「あとでじっくり考えよう」と自分に声をかけ、Nに飛ぶのも一つのやり方です。ご自分なりに工夫して、自分との心休まる数分を過ごしてみてくださいね。

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