Last Updated: 31 10月 2025 19. 日本人から見た米国文化 【コラム:異文化の海を泳ぐ】
前回は私がセミナー等で耳にした外からの日本に対する意見に触れましたが、今回はこの逆に日本人から見たこの国の人達や文化に対する意見を基に日米文化の違いについて考察してみたいと思います。取り上げる内容は前回同様、過去のセミナー参加者から日本人以外の人と一緒に働いていて良かった事、又難しいと思ったことを列挙して貰いそこから共通したものを取り上げました。これらは多くの日本人達が感じる米国文化やこの国で働く人たちの行動パターンへの違和感といえると思います。ではもう少し個々に触れてみましょう。
1.コミュニケーションの取り方。こちらの人は会話をよくしている、仕事上でも日常会話やユーモアを交えていることを見受ける、又コミュニケーションはシンプルでポジティブな態度がうかがえるとの意見もだされました。これらはまさに文化の違いを現わしていると思います。日本人は往々にして言語以外を使って意思疎通をしますし、喋り過ぎは良くないという昔からの文化背景もありこの様な点が新鮮に映るのではないでしょうか? 米国文化が言語によるコミュニケーションを重視していることは良く御承知かと思います。
2.上司と部下の関係 多くのご意見を頂いたのがこの点です。立場に係わらず率直な意見交換がされる、上司は(日本とは異なり)部下を良く褒める。昔から日本では叱って育てるといわれましたが(今でもそうかも)、この国の文化は褒めて育てるのでこの点も新鮮に感じるのでしょう。その他、上司の部下に対する言葉使いが日本でのそれとはだいぶ違う等、上司の部下への接し方は日本とかなり違いますが話すと長くなりますのでここでは触れません。
3.仕事のやり方 失敗を恐れず、チャレンジが評価される。米国ではチャレンジは良い事だと思われていますが、当然そこには失敗のリスクが伴います。しかしそれを恐れていては先に進まないので、リスクをとってでもやってみようという姿勢がベースにあります。従い、リスクを恐れるあまりあれやこれやと考えるあまり決断が遅くなる傾向の日本に比べ物事が決まるのが早い、効率的で時間を有効に使う、と言ったご意見もうなずけます。又、プロ意識が高く与えられた仕事を全うするが、多能的ではないといったご意見も散見されました。
4.相対的に大雑把であまり深く考えない。この点は上で述べた仕事の仕方と関連があるような気がします。できる限り深く突っ込んでいく日本の仕事文化から見るとこう映るかもしれませんが、彼らから見るとこの位で十分だと思っているのかも知れません。
5.中間報告をするのを嫌がる。これも非常に多くの方からいただく意見の一つです。日本人の仕事のやり方としてごく普通に行われているのが中間報告とそれに対する上司のフィードバックですが、こちらでは往々にして反発を招く結果になります。これはここ米国では各自に与えられた仕事は各自の責任で行うという習慣なので途中経過など要求されるとマイクロマネージメントだと嫌がられることになります。
以上、今回は日系企業にお勤めの日本人からのご意見を基に書いてみました。読者の皆様も似たようなご経験や、違う体験をお持ちではないかと思います。読者の皆様からの率直なご意見をお待ちしております。
ではこの辺で筆をおく事とし、次回又お目にかかりましょう。
* この記事はデトロイト日本商工会の会報「Views」に2024年3月に掲載されたものです。
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