
IT系の人材を確保するのは、米国のどこであれ難しいものですが、特にシリコンバレーではそれが顕著です。グーグル、アップル、フェイスブックなどの企業が優秀な人材をかき集めていくからです。この地で人材獲得競争に参加する採用担当者、特に機械学習、データサイエンス、クラウド、セキュリティなどのホットな分野で人材を採用しようとする担当者は、事情通であり、かつ相当な手腕を有していなければなりません。
シリコンバレーの採用担当者が最も有効だと考えて多用しているリクルートのテクニックは、IT系の優秀な人材を雇いたいと思っているすべての人に重要な教訓をもたらします。そのいくつかをご紹介しましょう。
IT系の人材が最も重視すること
米国でIT系の人材を採用しようと思うのであれば、その人たちが価値を置いていることを知っておくべきです。報酬はもちろん重要です。報酬面で競争力を持つことは、まず競争のスタートラインに立つための条件です。
しかし、現金と株式だけでは、ほしい人材を獲得するのに十分ではありません。有能なプログラマーが勤め先を選ぶに当たって決め手となるのは、通常、報酬ではありません。やりがいを感じられる仕事、願わくば世界を変えるようなビジョンに向かって働ける仕事が必要なのです。
実際、スティーブ・ジョブズが先例を開いたように、開発者は世界を変えるチャンスを希求しています。目的のある仕事、すなわち世界を覆し根本的に変化させる可能性のある仕事に就き、実際にそれを達成する自由を与えられたいと思っています。
同様に重要なのが、最先端の技術開発に携わる機会です。優れた開発者は、常に最新の技術に触れる機会を探し求めています。新味のない製品ではなく、エキサイティングな製品を開発したいのです。
IT系の採用戦略を再考する
では、世界を変えるようなエキサイティングな技術を持っていない会社はどうすればよいのでしょうか。その答えは、きわめてクリエイティブな採用活動をすることです。これには、人材募集の地理的な範囲を広げることが含まれるかもしれません。
1つの場所に限定するのではなく、人材がいそうな場所、多くの人が住みたいと思うような場所を、国の内外に求めます。コラボレーション・ツールを使用すれば、世界のどこにいてもノートパソコンとインターネットでバーチャルに仕事ができます。
求人場所を広げても人が見つからないという場合は、柔軟な勤務形態を可能にすることも、IT系の人材には大きなメリットとなる可能性があります。フルタイムやパートタイムの遠隔勤務は、とりわけ魅力的です。特に人口の多い都市で、通勤に便利な場所の住宅価格が高い場合に、意義を持つでしょう。
* This article originally appeared in Teikoku News.
関連記事
「神経多様性」がダイバーシティの新たなフロンティアに
米国では児童の68人に1人が自閉症スペクトラム障害と診断され...
4. 日米で違うものについて 【コラム:異文化の海を泳ぐ】
前回、同じような諺が日米で意味が少し異なるという事を書きまし...
グーグルのデータ主導の人事管理
グーグルがまだ若い会社だった頃、採用面接で聞く風変わりな質問...