typical startup office

Talent Wars Crunch Startups シリコンバレー労働市場の加熱状況

このブログは、数ヶ月前に米国のウォールストリートジャナル新聞に出た記事の解説です。元の記事をここで見られます。記事が出た時から、シリコンバレーの労働市場がさらに加熱して来たと言えます。

記事の見出し「Talent Wars Crunch Startups」を直訳すれば、「優秀な人材を確保するための競争で、ベンチャー企業はピンチにさらされている」という意味。

talent war、もしくはthe war for talentは、シリコンバレーにおける労働市場の現状を示している。talent(スキルや知識を持った優秀な人材)が限られているため、彼らを引き寄せるための激しい競争が企業の間で繰り広げられている。どんどん激化しているその競争は、まるでwarのようだ。実は、これは90年代に流行った言葉である。最近あまり耳にしないが、その復活は経済の回復の証拠だといえるだろう。

start-upsはベンチャー企業のこと。ventureはカタカナで日本語でも使われているが、アメリカではventureよりこの言葉を使うことが多い。「始まったばかりの会社」という意味を持つ。

crunchはこの場合、「ピンチや危機にさらす」という意味。日本語の「板挟み」と似ている。この記事での意味は、この激しい人材競争に参加することがベンチャー企業にとってとてもきつい負担になっている、ということ。

この記事で紹介されているシリコンバレーのベンチャー企業の人事慣行は、日本人はもちろん、シリコンバレー以外に住むアメリカ人の目から見ても驚きの内容だ。新卒者に対して$15万ドル(およそ1160万円強)の年間給与がオファーされたり、社員全員に10%のベースアップを行うなど。「無限休暇」(任務を全部こなせさえすれば、好きなほど休んでもいいという方針)を導入した企業もあるほどだ。

同じエリアに大手のグーグル、ツィッター、フェイスブックとジンガなどの本社が並んでいる。技術革新のためには優秀な人材が不可欠と、これらのビジネスは雇用の拡大に力を入れている。最近こういった会社は莫大な額の投資を受けているため、雇用のための予算も大きい。

一方、シリコンバレーの比較的小規模なベンチャー企業は、これらの「モンスター企業」と競わなくてはならないため、とても難しい状況に置かれている。優秀な技術者の数は限られているため、人材の確保に一苦労だ。

記事によると、その対策として、より多くのベンチャー企業が考えているのはcashing out of sharesの導入だ。これらの企業は社員に株を与えているが、未上場のため社員はそれを売買できない。そこで、会社がそのshares(株)を買えば、社員がcash out(売却して現金を得る)することができる。しかしながら、これも会社にとって金銭的な負担となっている。金銭的資源が限られているベンチャー企業がモンスター企業に太刀打ちするのは、容易なことではないのだ。



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