現地社員と駐在員をつなぐコミュニケーション手法

最近、フェイスブックのページに英語で投稿をしました。イギリスの友達に向けたコメントでしたが、意外なことに日本の友達からも好反応が返ってきました。もう2年以上も日本に行っておらず、直接会っていない友人たちですが、こうしてつながっていられるのは嬉しいことです。このやりとりを経て、これが簡単にできたのはフェイスブックの自動翻訳機能のおかげであることも分かりました。

私の投稿を英語で読める人たちですが、それには少し意識的な努力が必要です。私の投稿のように取るに足らないものを読むのに、そのような努力は払わなかったかもしれません。同じように、私も日本語は読めますが、日本のビジネス誌が発信しているニュースレターが入ってくると、いつもメールの自動翻訳ボタンをクリックして英語で読んでいます。すべての記事の概要をすばやくつかむには、このほうが便利だからです。本格的に読みたいと思ったら、日本語表示に戻して原文をじっくり読むことができます。

また、日本のクライアントから受ける日本語のメールを読む際も、自動翻訳をよく使っています。詳細を理解しようとする前に、ざっと内容を把握するためです。

最近では、ツイッターも翻訳機能が向上しました。私の英語のツイッターにはフランス人のフォロワーが2人いて、時々フランス語でコメントしてくれます。私はフランス語の読み書きもできますが、自動翻訳のほうが速いので、英語で読んで、英語で返事をしています。あちらも必要であればフランス語に即座に翻訳できるだろうと思うからです。

このように言葉の壁を超えて即座に気軽にコミュニケーションできるというのは、職場の信頼関係や人間関係にとって良い効果があります。コミュニケーション・ツールのこの種の機能は、これから先、非常に重要になっていくでしょう。特に在宅勤務中の国境をまたぐチームワークに役立つはずです。

マッキンゼーが世界各地の企業幹部を対象に行った最近の調査では、パンデミックの間に生産性と顧客満足度が向上したことが分かりました。なかでも社員間の「スモール・コネクション」とマッキンゼーが呼んでいるものを積極的にサポートした組織で、それが顕著でした。社員が在宅勤務をしていても、インスタント・メッセージやチャットで簡単に同僚や上司に連絡してヘルプやアイデアを求められるIT環境を整えていれば、生産性を高めることができ、社員も自分はサポートされていると感じます。

日本の企業はこれまで、オープンプランのオフィスで全員が一緒に働くことで、このスモール・コネクションを作ってきました。欧米の企業では、オープンプランのオフィスは好まれなくなりつつあります。うるさすぎて生産性に差し障る可能性があるからです。でも、日本のオフィスはそれほどうるさくありません。あまり雑談をしたり私的な電話をしたりしないよう、社員が教育されているからです。残念ながら、私が働いたイギリスのオープンプランのオフィスは、日本のような環境ではありませんでした。多くの同僚と同じように、私もノイズ・キャンセリング・イヤホンを一日中付けて仕事をするようになり、カジュアルなコミュニケーションを促進する効果はまったくありませんでした。

この記事は、2021年8月11日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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