20. 時間とのおつきあい【コラム:幸せになろうよ – a joyful life】

コーチングの対話の締めくくりに、次回の対話までに取り組みたい課題をクライアントご自身に決めていただきます。しかしときには、クライアントの成長に役立ちそうな課題を私から提案することもあります。その場合、クライアントがAIを使うことを想定して、追加の質問を準備します。通り一遍の回答ではなく、その人の考え方や価値観を引き出したいからです。

そんなとき、どうすればAIの便利さと、人としての豊かな経験の両方を得られるのだろうか、という問いが頭に浮かびます。

音楽プロデューサーとして有名なリック・ルービンの著書「リック・ルービンの創作術」には、人間であることをじっくり経験するためのヒントが満載です。私が実行しているものの一つは、「日の出の前に携帯やコンピュータなどのスクリーンを見ない」(私の勝手な和訳)です。おかげで、早朝に本を読む習慣ができました。

太陽が顔を出すと、昨年習った短い瞑想をさらに短縮した簡単瞑想をしたり、ただぼーっと外を眺めたりします。すると、短い朝の時間にゆとりが舞い込んでくる気がします。

時は来ては過ぎていき、どんどん過去になります。これは、ビッグバン以来の宇宙の真実です。ですが、それは物理の話であって、人が経験する時間の流れとは違います。人は、一息つくことで、「今」をゆっくり体感できるようです。それで私は、コーヒーを飲む前に一息ついてから、じっくり飲むようにしています。

あるとき遊びに来た近所のアメリカ人が、「私、高校を出てから働きながら8年かけて大学を出たの」と教えてくれました。くじけそうになったとき、通学するのをやめたいと会社の先輩に打ち明けたところ、

「時間はどんどん過ぎていくものだから、大事だと思うことは続けた方がいい」

と助言され、その言葉に励まされて卒業にこぎつけたのだそうです。大学を卒業したことは、もちろん素晴らしい成果ですが、大切なことに向き合った8年間、辛かったことも含め、彼女は豊かな時間を過ごしたのだと思います。

この話を聞いてから、大切なことは何なのかをときどき自問するようになりました。大きな目標でなくても、日常の中でごく当たり前にしていることのことの中に、喜びを感じることもあるでしょう。散歩。楽器の練習。庭仕事。家族や友人との会話。

一息つきつつ、時間とのつきあいについて考えるのは、自分を大切にすることに通じる気がします。

貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

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